キリスト教での葬儀の流れはどのようなものでしょうか?
日本ではクリスマスが国民的行事になっていますが、キリスト教の葬儀に出かける機会は少ないのが現状ではないでしょうか。
キリスト教の葬儀を通して、他の宗教や日本に古来からある死についての考え方とは違う死生観を感じていただき、皆様の終活につなげてください。
1:カトリック式の葬儀
カトリックと呼ばれるキリスト教は、バチカン市国にあるローマ教皇庁を頂点とする世界最大のキリスト教会派であるローマ・カトリックを指しています。
カトリックで行われるミサ(祭儀)は最後の晩餐を起源としそれを再現していますので、カトリック教会の祈りの中で最も格式がある祈りとされています。
カトリックでは信者である故人のためにミサを捧げて祈り、その後に故人とのお別れである告別式をしますので、そのミサが一般の葬儀にあたるということで葬儀ミサと呼ばれています。
2:プロテスタント式の葬儀
プロテスタントと呼ばれるキリスト教は、ルネサンス期にマルティン・ルターの宗教改革によりカトリックと分離した宗派ですが、今では日本独自の宗派もあるほどに、数多くの宗派に別れています。
カトリックのミサがローマ教皇庁によって統一されているのに対し、プロテスタントはそれぞれの宗派や教会が聖書の教えを基に独自に礼拝を行っています。葬儀の司式を執り行うのは牧師です。
プロテスタントの葬儀では普段の礼拝と同様、聖書の朗読や神への祈りが中心です。
故人との別れを惜しみながらも会葬者がともにこの世に生まれてこれたことを感謝し、天国で神に仕える喜びを深めていきます。
3:まとめ
キリスト教の葬儀は、古くから聖歌や讃美歌、オルガン演奏など音楽と深くかかわりがあります。
音楽には悲しみを癒す役割もあり、讃美歌の中にある「また会いましょう」という意味合いの歌が必ずと言っていいほど頻繁に歌われています。
キリスト教の葬儀においては、死や絶望の中にあってもどこかに希望を感じることができ、死が終焉ではないという考え方で、残された家族にも生きる希望と勇気が与えられます。
死の中に希望が見いだせるという考え方は、最もキリスト教らしいところだといえます。
キリスト教の葬儀の進め方や考え方を通して、終活としてご自分自身の死生観について考えてみてはいかがでしょうか。